長期政権の首相はなぜ真ん中生まれなのか?

 安倍晋三首相の在職日数が、2017年5月28日に第1次政権を含めて1981日になり、小泉純一郎元首相を抜いて、戦後の総理大臣では歴代3位の長さになりました。

 「長男が総理大臣になると短命内閣になる」で紹介しましたが、長期政権を維持した総理大臣にも共通する特徴があり、みなさん、兄か姉がいて、弟か妹がいました。つまり兄弟姉妹に挟まれ真ん中に生まれた人ばかりなんです。

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在職日数が長い首相ベスト5

戦後の総理大臣を在任期間が長い順に並べてみます。

【1位】 佐藤栄作
2798日(1964年11月9日~1972年7月7日)

 【2位】 吉田茂
2616日(1948年10月19日~1954年12月7日)

【3位】 安倍晋三
1981日(2012年12月26日~2017年5月28日現在)

 【3位】 小泉純一郎
1980日(2001年4月26日~2006年9月26日)

 【4位】 中曾根康弘
1806日(1982年11月27日~1987年11月6日)

在職日数が長い首相の生まれ順

  • 佐藤栄作《三男》
    3男7女の7人目
  • 吉田茂《五男》
    竹内家の7男7女の五男として誕生し、吉田健三の養子に。
  • 中曾根康弘《次男》
    4人兄弟の次男
  • 安倍晋三《次男》
    3人兄弟の真ん中
  • 小泉純一郎《長男》
    3女2男の4人目
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どうして長期政権の首相は真ん中生まれなのか?

 誕生日や血液型による性格の違いは先天的なことが多く、生まれた順による性格の違いは後天的であることが多いようです。兄弟姉妹に挟まれた真ん中生まれがみな同じ環境で育つわけではありませんが、真ん中ならではの育ち方あるのでしょう。

 真ん中に生まれると、リーダー的な存在の兄や姉、わがままな妹や弟に挟まれて育ちます。兄や姉のように過保護に育てられることもなく、妹や弟のように甘やかされて育つこともなく、微妙な立ち位置です。

 板挟みの状態を常に経験しているので空気を読むのが上手くなり、状況や相手に合わせて行動するため、自然とコミュニケーション能力と適応力が身につきやすくなります。

 人によって差がありますが、兄弟姉妹が多くなると親が目をかける時間は自然と少なくなります。自己主張しなければ気づいてもらえません。末っ子が可愛がられるのを見ながら育つと、親から愛されてないという思いを抱くこともあるようです。自分の家なのに居心地が悪い。自分の居場所がないと感じながら育ち、そういう不満が独立志向を強くしていくようです。

 真ん中生まれが長期政権を維持できるのは、恵まれてないと感じる環境をエネルギーに変える力があり、また、幼い頃に身につけた「空気を読む力」と「自分に有利な状況を作り出す力」と「逆境に強い」ところがあるからなのかもしれません。

在職日数が短い総理大臣ベスト5

戦後の総理大臣を在任期間が短い順に並べてみます。

【1位】 羽田孜
64日(1994年4月28日~1994年6月30日)
【2位】 石橋湛山
65日(1956年12月23日~1957年2月25日)
【3位】 宇野宗佑
69日(1989年6月3日~1989年8月10日)
【4位】 鳩山由紀夫
262日(2009年9月16日~2010年6月4日)
【5位】 細川護煕
263日(1993年8月9日~1994年4月28日)

なんと、1位から5位の総理大臣は、全員《長男》なのです。